このページでは、ウランガラス蛍光について簡単に紹介しています。


 ウランガラスの蛍光作用に関しては、「ウランガラス」(苫米地顕 著)やウランガラス同好会のホームページに詳しく解説されています。ここでは、それらを参考として簡単に説明します。

 紫外線あるいは可視光線が当たることにより発光する現象を、「フォトルミネッセンス」といい、これには蛍光と燐光の2種類があります。当てた光を取り除くとただちに発光が止まるのが蛍光で、発光がその後も続くのが燐光です。ルミネッセンスとは、物質が吸収したエネルギーの一部あるいは全部を光として放出する発光現象のことです。蛍光を発する物質を蛍光体と言います。

 日常生活において使用されている蛍光灯やテレビのブラウン管は、この蛍光作用を応用したものです。蛍光灯は、ガラス管に封じ込めた低圧の水銀蒸気のアーク放電によって発生する紫外線が、ガラス管の内側に塗布された蛍光体を励起して可視光を発生させるものです。また、テレビのブラウン管の内壁には種々の蛍光体が塗布されていて、電子によって蛍光体が励起され、そこから出る蛍光を利用しています。
 ちなみに、ウランガラスを光らせるときによく使われるブラックライトも蛍光灯の一種で、可視光線を遮断する濃い紫色の特殊ガラス管が用いられていて、波長300〜380ナノメートルの紫外線を効率よく発生するランプです。

一般に、蛍光を示す物質としては、サマリウムやテルビウムなどの希土類金属の塩酸塩や硫酸塩、タングステン酸カルシウム、モリブデン酸カルシウムなどの遷移金属酸塩があります。これらの物資がガラスのなかに溶け込んだものも蛍光を発します。

 ウランガラスは、遷移金属酸塩を含むガラスに属し、ガラスのなかのウランは6価のウランイオン(U 2+)と酸素イオン(0 2-)2個が結合したウラニルイオン(UO2 2+)として存在します。このウラン原子に紫外線が当たると、ウラン原子の外側の軌道にある電子が紫外線のエネルギーを吸収し、ある準位に励起されます。つまり、エネルギー的に低い、「基底状態」からエネルギー的に高い「励起状態」になります。このような励起状態は不安定で、外部からのエネルギーが加わらなくなると基底状態に戻ろうとします。実際は少し複雑で、励起状態では原子間隔を最小にするような変化が起こり、ややエネルギー的に低い「緩和励起状態」に移行した後に元の「基底状態」に移行します。このようにして「励起状態」から「基底状態」に戻るときに、その差分のエネルギーを電磁波(光)として放出します。すなわち、これがウランガラスから発せられるわずかに黄色みを帯びた独特の緑色の蛍光なのです。

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