展示室3-2 ここではイギリスのデビッドソン社のパールライン・グラスを紹介しています。

   デビッドソン社は、1867年イングランドの北東部のGatesheadで、George Davidsonにより設立されました。創業者の George Davidsonが亡くなり、息子のThomas へその事業が引き継がれたころから写真のような薄黄緑色(primrose)の ガラスをベースとしてクリームのように白く縁どられた独特のウランガラスを世に送り出し、大成功を収めます。縁の白 っぽい部分が真珠を連ねたように見えることから"Pearline Glass"と呼ばれています。

 この"Pearline Glass"は1889年に特許がとられ、その後1903年まで次々と新しいパターンの作品が作られましたが、 1914年第1次世界大戦が始まるころ生産中止となりました。デビッドソンのガラス製品は、デザインごとに愛称がつけら れています。また底の部分に刻印された登録番号からそれが作られた年号を知ることができます。収集家のあいだでは、 日本だけでなく世界的に人気が高いウランガラスの一つです。

 また、アメリカやイギリスではウランガラスのことを一般に"Vaseline Glass"(ワセリンガラス)と言いますが、ワセリンガラスは1930年以降に用いられるようになった名称で、アメリカやイギリスで多く作られた黄色の透明のウランガラスのことだったようです。「ワセリン」という名称は、ガラスの色が黄色いゼリー状の油(ワセリン)のように見えることに由来しています。しかし今日では、デビッドソンをはじめとして、縁の部分へ向かって徐々に乳白色になるいわゆるオパールガラスも含めて広い意味で用いられているようです。

 

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(1) 楕円形ボール、イギリス、デビッドソン
   "William & Mary" (1903)、L14.0cm 
(2) 同左 UV

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(3) 小バスケット、イギリス、デビッドソン
  "Lady Caroline"(1891)、H6cm
(4) 塩入れ、イギリス、デビッドソン 
  "William & Mary"(1903)、H7cm
(5) 小皿、イギリス、デビッドソン 
  "Prince William"(1893)、D17cm
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(6) 同上 UV (7) 同上 UV (8) 同上 UV
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(9) 小皿、イギリス、デビッドソン 
  "Lady Chippendale" (1887)、D16.5cm
(10) バスケット、イギリス、デビッドソン
 "Lady Chippendale" (1887)、L15.5cm
(11) クリーマー、イギリス、デビッドソン
   "Helen Louise" (1890)、H10cm
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(12) 同上 UV (13) 同上 UV (14) 同上 UV

     

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(15) コンポートァ、英国、Davidson社、
   1903年、H11.3cm 
(16) 同左 UV

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(17) クリーマー、英国、Davidson社、1903年、
   H9.0cm 
(18) 同左 UV

  写真(15)は、1903年にデザイン登録された英国デビッドソン社のコンポートです。"William & Mary"という名称がついています。ハートとダイヤモンドで構成されたPearline glassの代表的デザインです。高さ11.3 cm、直径15 cmのやや大きめのコンポート。プレスガラス。
 写真(17)は同じくデビッドソン社の"William & Mary"パターンのクリーマーです。1903年登録。高さ9 cm。プレスガラス。

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